ベアリングチューニングでは定番のかっ飛びチューニングキットについてインプレします。
世間では「効果がない」「かっ飛ばない」という話もよく聞きますが、それはあながち間違ではありません。
でも、皆さんが思っている以上に効果はあり、用途によっては飛距離をアップさせることも十分可能です。
かっ飛びチューニングキットを試したいと考えている方へ
- 飛距離はどうなの?
- ベアリングチューニングって効果あるの?
- ベアリングの交換方法を教えて欲しい!
このような疑問にお答えします。
僕はかれこれこのベアリングを使い始めて7年経ち、所有しているベイトリールの大半をかっ飛びに交換しました。
今回はかっ飛びチューニングキットのインプレとベアリングの交換方法を解説します。
この記事の内容
かっ飛びチューニングキットの飛距離
先に結論を申し上げますと飛距離はほとんど変わりません。
唯一効果がある点は、スプールの回転やレスポンスが良くなり、キャストフィーリングの良さを体感できるようになります。
正確にはフィーリングが良くなったことで良く飛ぶと錯覚してしまうのが本音ですね…
しかし、AIRシリーズで軽いルアーを投げる場合に若干飛距離がアップし、重いルアーになるほど効果はないです。
かっ飛びチューニングキットはベイトフィネスや軽量ルアーの使用が多い人、海での使用や耐久性を重視したい人に特におすすめできますね!
ベアリングチューンに興味がある方は、是非試していただければと思います。
かっ飛びチューニングキットの種類とインプレ
ここからはかっ飛びチューニングキットを使用して、僕が感じたことを細かく述べていきます。
AIR HD セラミックベアリング
AIR HDは最もオールラウンドに使えるベアリングで、ライトからヘビー用途まで幅広い使用に対応します。
僕は19アンタレスをこのAIR HDに変えていますが、純正ベアリングよりもスプールの回転やレスポンスが良くなり、飛距離もわずかながらアップしました。
回転の良さと強度を併せ持った、シリーズの中では一番おすすめできるベアリングです。
AIR セラミックベアリング
AIRはベイトフィネスに対応した超高回転型ベアリングです。
中の玉が小さく転がり抵抗が少ない設計になっているため回転が良く、頑丈な外輪で覆われているので十分な強度を持っています。
このベアリングはAIR HDよりもレスポンスが良いですけど、遠投を目的としたリールに付けるとキャスト後半の伸びが失速しやすいと感じました。
巻物や撃物など一般的な用途にも使えますが、パワーベイトフィネス向けのベアリングと言えます。
AIR BFS ベアリング
AIR BFSもAIRと同様にベイトフィネスに特化したベアリングです。
16アルデバランBFS XGなどのベイトフィネスリールに装着すると最も効果を発揮できます。
1g〜5g程度のライトリグや軽いルアーが快適にキャストできるようになり、飛距離もわずかながらアップします。
AIR BFSは内部のベアリングだけ交換できる仕組みになっているため、AIRセラミックベアリングより若干強度が劣る気がします。
これはリールの機種にも依存すると思いますが、ベアリングとしての剛性が少し低いように感じました。
ZR ベアリング
ZRベアリングはビッグベイトや撃物など、負荷が高い用途に特化したベアリングです。
素材はセラミックではなくオールステンレス製となっていて、AIR HDセラミックベアリングが発売される前は、かっ飛びと言えばこのベアリングが主流でした。
また、片面オープンタイプですのでメンテナンスのしやすさも売りです。
僕は18バンタムMGLにこのZRベアリングを入れていて、飛距離は純正ベアリングと全く変わりませんが、なめらかなキャストフィールが体感できます。
ZHi ベアリング
ZHiベアリングはソルトでの使用に特化したベアリングで、耐久性と錆びにくさを重視したベアリングです。
両面シールドされていますので海水やゴミなどの侵入を防ぎますが、メンテナンス性能は劣ります。
僕の用途では全く錆びないという訳ではなく、錆びるまで時間がかかるようになったというのが本音です。
バスでこのベアリングを使うことはないかもしれませんが海ではこれ一択ですね。
飛距離や使用感はZRベアリングと全く同じで、純正ベアリングに最も近いモデルと思いました。
メリット・デメリット
メリット
- 飛距離が伸びる
- 耐久性がある
- キャストフィールが良い
- ベイトフィネスに装着すると効果大
かっ飛びチューニングキットはAIRシリーズで飛距離の伸びが体感でき、ZR・ZHiベアリングでは耐久性を重視した作りになっています。
また、純正ベアリングよりもキャストフィールやレスポンスが良くなりますので、快適なキャストが可能となります。
リールの性能アップがメリットと言えますね。
デメリット
- 費用がかかる
- 飛距離は大幅に変わるものではない
- ベアリングリムーバーなどの工具が必要
- 純正ベアリングがもったいない
最大のデメリットは費用がかかるという点です。
ベアリングだけで約2,000円〜4,000円…、更に複数のリールのベアリングを交換したり、ベアリングリムーバーや工具を揃えると、決して安い出費とは言えません。
ベアリングを変えたところで激的に効果があるというものではないため、わざわざ変える必要はあるのかと言われると微妙な感じです。
また、取り外した純正ベアリングが余ってしまいますので、少々もったいないですね。
費用さえクリアできれば交換するメリットは大きいでしょう。
ベアリング交換方法(19アンタレス編)
ここからは先日ベアリングを交換した19アンタレスを使用して解説していきます。
ベイトリールの機種やベアリングの種類によって手順は変わってきますので、参考程度にご覧ください。
必要なもの
STEP.1 シャフトピンを抜く
リールからスプールを取り外し、ベアリングリムーバーを使ってシャフトピンを抜きます。
最近はスプール本体にベアリングが組み込まれているリールが多いですが、メカニカルブレーキ側にベアリングが付いている機種はベアリングリムーバーは不要です。
STEP.2 純正ベアリングを外す
シャフトピンを抜いたら純正ベアリングとストッパーゴムを取り外します。
STEP.3 かっ飛びベアリングを装着
AIR HD セラミックベアリングを入れて、ストッパーゴムを元のように装着します。
STEP.4 シャフトピンを戻す
ベアリングリムーバーを使ってシャフトピンを付け直します。
これでスプールのベアリング交換は終了です!
続いて、サイドプレート側のベアリングを交換していきます。
STEP.5 サイドプレートのベアリング交換
ベアリングストッパーを爪楊枝かマイナスドライバーを使って外し、ハンドルノブキャップリムーバーを使って純正ベアリングを外します。
19アンタレスや18バンタムMGLはベアリングにゴムが付いているため簡単には外れず、ハンドルノブキャップリムーバーが必須です。
ベアリングにゴムが付いていない機種であれば、リールを逆さにして軽く降るだけで外れます。
AIR HD セラミックベアリングを入れて、ベアリングストッパーを付けます。
STEP.6 完成
最後はベアリングに適量のオイルを塗ったら作業完了です!
オイルはリール用なら何でも良いですけど、僕はアルケミーオイル(ウルトラライト)を使用しています。
シマノ純正オイルよりも若干乾きやすいですが、同じメーカーが出していることからかっ飛びチューニングキットと相性が良いオイルです。
まとめ
ベアリングチューニングの効果は微々たるものであり、純正ベアリングとかっ飛びチューニングキットの両方を同じタックルで使い込まないと、その違いは感じ取りにくいかもしれません。
しかし、タックルによっては飛距離アップにつながり、フィーリングやレスポンスが良くなるのは確かですので、お手持ちのリールのベアリングを交換すると何らかの違いが感じられるはずです。
また、ベアリング交換は簡単ですのでリールカスタムの第一歩としてもおすすめですし、リールの性能を更に引き出すことができるでしょう。
かっ飛びチューニングキットが気になる方は是非試してみてください!