DCブレーキ

シマノDCブレーキの仕組みやメリット・デメリットを解説!

シマノのベイトリールにはDCブレーキを搭載したリールが多数存在します。

以前はSVSが一般的でしたが、最近では「24メタニウムDC」や「23アンタレスDC MD」も発表され、注目された方も多いのではないでしょうか?

また、それらのリールを見ているとDCブレーキにも種類がたくさんあって、DCの仕組みや構造がどうなっているのか疑問に思った方も多いですよね。

そこでこの記事では、DCブレーキの仕組みやメリット・デメリットについて解説していこうと思います。

DCブレーキの仕組み

DCユニット・スプール

DCブレーキとは、シマノのベイトリールに搭載されている独自のブレーキシステムです。

DCは「デジタルコントロール」の略で、リール内部にコンピューターが搭載されています。

構造は、スプールの中心部にコイルを配置し、磁気を搭載したスプールがコイルの内側を回転することで電流が発生します。

その電流を使ってセンサーがスプールの回転数を読み取り、コンピューターがコイルとスプールの間に生まれた抵抗を制御してブレーキをかけています。

DCグラフ
出典:シマノ

キャスト直後は一瞬ノーブレーキ状態となり、回転がピークに達したときにブレーキがかかり始め、キャスト後半は必要最小限のブレーキ力をスプールに加えながら飛距離を伸ばすという動作を行っています。

ブレーキ力の強弱は、外部ダイヤルまたは内部ダイヤルで調整することができますので、バックラッシュを防ぎつつ遠投を可能とした画期的なシステムです。

メリット

15メタニウムDC XG

  • バックラッシュのリスクが減りトラブルフリー
  • ブレーキを自動で調整してくれるため設定に悩まない
  • 飛距離が出る

ダイヤル設定に応じてブレーキを自動でかけてくれるため、向かい風などシビアな状況下でもバックラッシュしにくくトラブルフリーに扱えます。

SVSではサミングするような状況でもDCなら不要で、軽く投げただけでも良く飛び、快適に釣りが楽しめるようになります。

釣り場でバックラッシュを直すのに時間を取られてしまっては元も子もないので、DCリールを使う最大のメリットはトラブルフリーと言えます。

デメリット

カルカッタコンクエスト100DC

  • カスタマイズ&メンテナンスしにくい
  • 自重が増える
  • DCが故障するとユニットごと交換になるため高額

DCユニット部分は構造が複雑でベアリングにオイルを挿したりなどメンテナンスが難しく、SVSに比べて自重が重くなりがちです。

カスタマイズもSVSのリールは夢屋やサードパーティー製品のスプールに交換できますが、DCブレーキのリールは専用スプールのためそれができません。

DCユニットは完全防水化されていますので水が原因で壊れることはないですが、もしDCが故障した場合は修理に出してDCユニットごと交換となったら高額な修理費になることもあります。

また、DCの寿命は物理的に消耗するものではないので、半永久的に使い続けることができます。

しかし使用頻度や環境によっては、電子部品を内蔵している関係で稀に壊れることがありますので、水没や衝撃は極力避けた方がよいでしょう。

DCブレーキの種類・特徴

現在のDCブレーキの種類は以下の3つが主流となっています。

  • I-DC4
  • I-DC5
  • 4×8DC

I-DC4

I-DC4
出典:シマノ

4段階の外部ダイヤルのみで調整がシンプル。

一昔前はI-DC4が主力でフラッグシップモデルにも搭載されていたが、最近ではエントリーモデルのSLX等に搭載されている。

I-DC5

I-DC5
出典:シマノ

5段階の外部ダイヤルと、3モードの内部ダイヤルで調整。

カルカッタコンクエストDCやスコーピオンDCなど、現在幅広く使われているブレーキシステム。

外部ダイヤルの最後には、WやAのリールの特性に合わせたモードが搭載している。

4×8DC

4×8DC
出典:シマノ

8段階の外部ダイヤルと、4モードの内部ダイヤルで細かな調整が可能。

アンタレスDCやエクスセンスDCに搭載されていて、価格は高価だが最高の飛距離を誇る。

また、内部ダイヤルの最後には、XやXBのリールの特性に合わせたモードが搭載している。

DCブレーキ搭載機種・比較

製品名 DCブレーキタイプ 外部ダイヤル 内部ダイヤル
23SLX DC
23SLX DC
I-DC4 4段階
20SLX DC
20SLX DC
I-DC4 4段階
22クラドDC
22クラドDC
I-DC4 4段階
20エクスセンスDC SS
20エクスセンスDC SS
I-DC4
エクスセンス
チューン
4段階
F (フロロ) モード
22SLX DC XT
22SLX DC XT
I-DC5 5段階
W (ウインド) モード
F (フロロ)
N (ナイロン)
P (PE)
20カルカッタコンクエストDC100
20カルカッタコンクエストDC 100

19カルカッタコンクエストDC 200
I-DC5 5段階
W (ウインド) モード
N (ナイロン)
F (フロロ)
PE (PE)
21スコーピオンDC
21スコーピオンDC
I-DC5 5段階
W (ウインド) モード
F (フロロ)
N (ナイロン)
P (PE)
17スコーピオンDC
17スコーピオンDC
I-DC5 5段階
A (フルオート) モード
N (ナイロン)
F (フロロ)
PE (PE)
15メタニウムDC
15メタニウムDC
I-DC5 5段階
A (フルオート) モード
N (ナイロン)
F (フロロ)
PE (PE)
24メタニウムDC
24メタニウムDC
I-DC5 5段階
N (ナイロン)
F (フロロ)
P (PE)
外部に配置
16アンタレスDC
16アンタレスDC
4×8DC 8段階 FL (フロロ)
P (PE)
NM (ナイロン)
X (エクストリーム
ロングキャスト)
21アンタレスDC
21アンタレスDC
4×8DC 8段階 F (フロロ)
P (PE)
N (ナイロン)
X (エクストリーム
ロングキャスト)
23アンタレスDC MD
23アンタレスDC MD
4×8DC
MDチューン
8段階 FL (フロロ)
P (PE)
NM (ナイロン)
XB (エクストリーム
ビックベイト)
22エクスセンスDC
22エクスセンスDC
4×8DC
エクスセンス
チューン
8段階 F (フロロ)
N (ナイロン)
P (PE)
X (PE追風遠投)

※2024年1月現在

I-DC5の外部ダイヤルの最後には専用モードが用意されて「W(ウインド)モード」と「A(フルオート)モード」があります。

W(ウインド)モード

  • 強風時でもバックラッシュを抑え、適切なブレーキを実現

A(フルオート)モード

  • ボリューム2~4の半ばまでカバーするワイドなポジション

専用モードはブレーキが強くかかるため実際使うことは少ないですが、向かい風や空気抵抗の大きいルアーを投げるときに役立つ機能です。

ちなみにI-DCとは「インテリジェント デジタルコントロール」という意味で、以前はI-DC+というものもありましたけど現在は廃盤となっています。

4×8DCにはMDチューン・エクスセンスチューンがあり、内部ダイヤルにリールの特性に合わせたモードが用意されています。

飛距離は4×8DC以外期待できない

16アンタレスDC

冒頭のメリットに飛距離が出ると書きましたが、飛距離だけ考えたらアンタレスDCに搭載されている4×8DC以外は期待できないです。

I-DC4とI-DC5は4〜5段階しかなく調整の幅に限界がありますが、4×8DCは8段階もありブレーキ力を細かく突き詰めることができるからです。

要するにI-DC4とI-DC5はオートマチック過ぎて飛距離が犠牲になっているのではないかと。

また、DCブレーキのリールはスプールに磁石が付いていることでスプール自体が重く、軽いルアーはSVSやマグネットに軍配が上がります。

DCだからと言ってダイヤル設定が弱すぎるとバックラッシュもするので、必ずしも万能という訳ではないですね。

まとめ

DCブレーキをまとめると以下のようになっています。

  • 飛距離を求めるなら4×8DC
  • トラブルフリーで快適性を求めるならI-DC5
  • コスパ重視でとりあえずDCブレーキを使いたいならI-DC4
  • 軽いルアーはSVSかマグネットブレーキのリールがおすすめ

以前は価格が高いモデルにしかDCは搭載されていませんでしたが、最近では23SLX DCにも搭載され、DCリールが低価格で買えるようになったのは嬉しいですね。

最新機種ほどDCの性能も進化していますので、デメリットは少なくなりつつあります。

予算と用途に応じたDCリールを検討してみてください。

コメントを閉じる1

コメント一覧

※コメントは管理人の確認後に表示されます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です